3次元ICの初期検討フロー まとめ

3次元ICの開発課題

  3次元ICの初期検討フローを市販ツールを組み合わせて実現した例を前ページに紹介しました。このフローでは、弊社GemPackageにより物理モデルを作成し、アンソフト社SIwaveでDC解析を実施し、最後にアンシス社Icepakで熱解析を実施しています。ここでは熱問題に注力しましたが、フロー中で生成されるファイル(ANFファイル)はアンソフト社のSI/PIツール群(TPA, HFSS, Q3D Extractor, SIwave)の入力として使えるので、SI/PIの問題に対応するようにフローを拡張することは容易であると思われます。

  本紹介のフローは、市販ツールを組み合わせたものとしては知る限りにおいてはじめての、3次元IC用EDAツールフローです。この成果は、3次元ICに関する次の4つのEDA課題のうち1番目と2番目の課題に対して、少なくとも初期的な解決策を提供するものであると考えています。

  • (1) データベース課題 − TSVやチップ積層を表現できる新しいEDAデータベースが必要です。3次元ICと従来型パッケージの得失を検討するためには、単に3次元ICを表現できるだけでなく、従来型パッケージと3次元ICを統合的に表現し得るデータベースが望まれます。
  • (2) FS(Feasibility Study)課題 − 3次元ICの物理モデルを手早く作成し、再配線層の配線可能性を検討し、SI/PI/熱/応力の問題を見積もるための、軽いツール群が必要です。
  • (3) DFM(Design For Manufacturability)課題 − 設計を詳細化し、良品率を向上し、サインオフを行うための安定したツール群が必要です。
  • (4) 統合課題 − FSツール群とDFMツール群をひとつのフローに統合することが必要です。

  しかし、3次元ICの本格的な設計体制を整えるには4つの課題を全て解決する必要があります。そのためには、特に先端の半導体設計企業様等において、実例に基づいたフロー開発に取り組んでいただく必要があります。そのような取り組みにおいて、本紹介のフローがひとつの出発点になれば幸せです。