SiP設計者の関心事

  SiPの応用が主にコンシューマ市場にあることから、設計者の第1の関心はコストにあります。 インターポーザーの基板層数の低減、薄型化、小型化などに最も力が入れられます。

  第2にタイムリーな商品開発のために、設計時間の短縮が追求されます。 特にインターポーザー内配線の可否検討に膨大な時間を費やすことが多く、現状の改善が求められています。

  第3に、概略構造と各人の分担を決定することになるフィージビリティスタディ(FS)段階の効率化と質の向上が求められています。 これは設計の初期段階において、チップ設計者、パッケージ責任者、インターポーザー担当者、実装担当者、テスト担当者、 ボード設計者など専門の異なる関係者がいかに足並みをそろえて到達イメージを共有し分担調整を行うか、という問題です。

  第4に、信号の高速化とシステムの低消費電力化が重要な関心事であり、 ノイズ設計、電源設計、熱設計などに細心の注意が払われています。

GemPackageのフォーカス

  GemPackageでは、主として、上記第2、第3の課題の解決に貢献しようとしています。

  第2の問題である時間短縮の対策としてインターポーザーの配線見積りの簡単化をはかっています。 「スケッチアンドコンバート」と呼ぶ独自の設計手法により、従来のツールに比べ、 設計時間1/4, 習得時間1/4に短縮できたと報告されています。

  第3の問題であるチームワーク支援の対策としては、 各専門メンバーがそれぞれの専門領域を一歩踏み出してwhat if検討を行い、 合理的な妥協点を見つけ出して全体最適化をはかれるようにすることが肝要です。 そこでGemPackageでは、 チップIO検討・ボンディング設計・基板概略設計の機能をSiPフィージビリティスタディにジャストフィットするようにまとめ、 かつ全体の操作の簡単化に入念な工夫をしています。 それにより例えば、チップ設計者がIO割り当てを検討するためにラフにワイヤを張ったり、 実装責任者が基板配線の取り回しを考慮してボンディングワイヤ設計を調整したり、 基板担当者が層数低減のために実装設計の変更やチップIOの改善を提案したり、 という従来の枠を超えたチームワークが可能です。 また、Google Earth / Google SketchUpを用いた3D表示確認の機能ができるなど、 コミュニケーションツールとして最適です。

GemPackageの操作性

  チームワーク支援の側面からはツールの操作性が極めて重要です。 コマンドが多すぎて使い方が分らない、メニューやマニュアルの用語が特殊で理解できない、など、 敷居の高いツールでは「やっぱりあいつに任せよう」となってしまうからです。 GemPackageでは使い慣れたオフィスツールに極力操作スタイルをあわせ、 機能の自然な組み合わせを工夫してボタン数をできるだけ減らし、 メニューやマニュアルでは「CADっぽい」概念の導入を極力避けて業務用語を使うようにし、 設計ルールの設定や高機能なダイアログでは図を併用する、 などの工夫をして、フィーリングで操作できるようにしています。