SiPのFS(Feasibility Study)工程において従来最も時間を要しているのは、インターポーザーの配線可否検討です。これは「本設計はまだ不要だが、所定の層数・サイズ・ルールで配線可能かどうかだけ、早急に知りたい」という要請です。本設計は不要といいながら、実際には製造設計と同様の設計作業が行われています。自動ツールがあれば簡単ですが、ごく単純なケースを除けば実用に足る自動配線アルゴリズムは現在知られておらず、ほとんどの場合もっぱら人手で検討されます。その仕事には基板設計者があたることが多く、余人を持って換えがたい作業と見られているために、他の関係者は黙って基板設計者の仕事が終わるのを待つしかなく、時間がかかり、助け合うこともままなりませんでした。
なぜ余人を持って換えがたいのでしょうか?それは基板設計者が、手では詳細な図形編集をしながら頭のなかでは概略取り回しを考える、という離れ業をやっているからである、と考えられます(下図)。

そこで、「概略取り回しそのもの」を設計データ化し、概略取り回しを見ながら概略取り回しを編集できるならば、専門家でなくとも基板配線の検討ができるのではないか、というのがGemPackageの発想です(下図)。

GemPackageにおけるラッツは、単なる接続要求線ではなく、マウスで折り曲げることができる概略経路データです。GemPackageを用いた場合、設計者はラッツを曲げビアを打ち配線取り回しのスケッチを画面上に作成します(上図SKETCHの段階)。束線は自動認識され一括して曲げることができます。ビア間隔は所用本数の配線を通すのに十分か、といった点はボタンひとつで検査できます。配線可能であればボタンひとつで幅を持ち設計ルール違反のない配線データに変換できます(上図CONVERTの段階)。本手法をスケッチアンドコンバートと呼んでおりGemPackageの大きな特徴のひとつです。
スケッチアンドコンバート機能のほかにも、柔軟なボール割り当て機能など、概略設計をするための機能が揃っています。実装設計者やチップ設計者がGemPackageによって基板配線をある程度考えておけば、基板設計者の作業はそれだけ軽くなり、FS工程の収束が早まるでしょう。メッキ配線機能(接続検査、基板端における上下層のメッキ配線の重なり検査を含む)、エッチバック機能、DRC機能など、製造可能性に関する面も配慮してあるので、基板専門家のご利用にも耐えるものと思います。基板設計者もGemPackageを使うことで、実装設計者・チップ設計者とデータを介した連繋が取れるようになってチップ開発への参画が進む効果が期待されます。GemPackageは良品率向上に向けた機能は有しませんが、メジャーな既存システムにデータを移すことができます。ケイデンス社APD等がサポートされています。(最新の情報はお問い合わせください)。