検討すべきシステムが複数の設計階層から構成されている、という状況は、決して特殊な状況ではありません。例えば、チップ・パッケージ・ボードはそれぞれ設計階層ですが高速なシステムでは全体を貫通して検討しなければなりません。また例えば、Package-on-Package(PoP)における親パッケージと子パッケージもそれぞれが設計階層です。 全体システムが複数階層から構成されている場合、従来は個々の階層ごとに独立して設計する必要がありました。GemPackageでは、階層全体を常に素通しで観察しながら各階層の設計を進められる「超階層設計」(Super Hierarchical Design)方式を採用しています。

上図はPoPを例に採って超階層設計と階層設計の違いを模式的に表しています。 超階層設計方式(上図左)では、親パッケージ内で子パッケージは中身が透けて見える部品データのように扱われています。どちらの設計内容を変更する際も全体の様子を観察しながら行えます。 階層設計方式(上図右)では、親パッケージ内で子パッケージは中身の見えないチップのように扱われます。また、子パッケージ内部を設計するときも親パッケージの様子を観察できません。従ってどちらの設計内容を設計する際も全体の様子を観察しながら行うことはできません。


超階層設計方式は次のような特徴を有しており特にFS段階において有効です。


  • 全体を素通しで観察しながらIOネット割当や各階層の配線取り回しを検討することができる
  • IOのネット情報を変更すると、それに接続する設計階層のネット情報が適宜自動的に修正される。従って全体システムのネット情報の首尾一貫性を容易に保つことができる

  • 超階層設計機能を有しない外部システムとの連繋のために、各階層データを別データに分離したり、再結合したりする機能も備えています。

    超階層設計機能は特にChip-Package-Board(CPB)コデザインの観点からパッケージIOやチップIOのネット割当を最適化する際に有効です。 上図はGemPackageによる1件のCPB設計データを適宜拡大しながら表示した例を示しています。左図はボードレベルで表示して設計中パッケージの周囲の配線取り回しを示しています。中央の図は設計中パッケージに注目して搭載チップからパッケージ引き出しの周辺図を、右図はパッケージ内設計中チップに注目して内部のブロックレベルフロアプランとフリップチップ方式によるパッケージレベル引き出しの様子を示しています。このように、GemPackageを用いることで、ボードレベルからチップレベルまで素通しで観察しながら、チップIO割り当て、パッケージBGA割り当て、各レベルでの概略配線取り回しを検討することができます。
    PoP構造によるSiPでは、子パッケージの外部端子割り当て最適化などのために、全体レイアウトを把握しながら各パッケージのFSを進める必要があります。 GemPackageでは、超階層設計機能を用いて、ひとつのパッケージのデータに別パッケージのデータを搭載することができ、組み合わせた状態でそれぞれのパッケージの検討を進めることができます。配線データを選択すると、同ネットのデータがパッケージ境界を越えて強調表示されます(上図)。